2015年11月17日火曜日

医療と福祉の連携

国は一九九二年度、七つの県をモデルにして介護実習普及センターの設置を指定した。広島県もそのひとつとなったが、県では実際の介護実習を御調町に委託した。このため、老健施設のなかに地域介護実習普及センターを設置した。これまで御調町では家族の介護、地域住民(ボランティア)の介護教室等を老健施設「みっぎの苑」で開催していた。これが正式なものとして位置づけられた。

国は一九九一年度より老健施設に痴呆病棟を新設した。精神病院の痴呆棟に入院するほどではないが、ある程度の痴呆を有していて療養を必要とする老人を対象にしている。これを「みつぎの苑」に増築して完成した(五〇床)。在宅ケアに連動する施設として運営している。あくまでも通過型の施設として痴呆の在宅を考えて、在宅ケア支援機能を持たせる。

三〇床のケアハウスを一九九三年に完成し「みつぎの苑」(老健施設)に合築の形でスタートした。御調町では、老健施設や特養に合築したほうが、単独で設置するより効率的と考えている。小規模(三〇床以下)でも十分だという。

御調町では一九六六~六七年ごろ医師会と十分に協議し、病院は入院を主体とし、診療所は外来を主体とし、病診連携を十分にとってきた。また在宅ケアについても、数年前から開業医が主治医の場合でも、その指示により病院(健康管理セソタ士のスタッフが無料で訪問看護等を行なってきた。これらの連携によってその信頼関係は築かれてきたといえる。

公立みつぎ総合病院はこの一〇年来、他町村の国保診療所へ医師派遣を二年交代で行ない、放射線技師も毎週派遣しているが、これは巡回診療よりも効率が良い。一九九二年五月から病院内に老人訪問看護ステーションをオープンした。これまで病院内の健康管理センターが行なっていた訪問看護のうち、開業医が主治医であるケースと介護を主体とする看護(せいぜい膀胱洗浄ぐらいまでで)は、この訪問看護ステーションへ移管した。